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全日本トラック協会がこれまでに実施した2024年問題対策

2024年12月25日、「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」が、東京都新宿区の全日本トラック協会3階ホールにて開催されました。これは国が設置する協議会で、今回が17回目の開催となります。

会議のなかでは、最近の運送業界における様々な取り組みが共有されました。なかでも大きなトピックのひとつとして挙がったのが、業界における「2024年問題」に対する取り組みです。

本記事では、全日本トラック協会がこれまでに取り組んできた2024年問題への対策や、今後予定している対応について紹介していきます。

2024年問題とは

2024年問題とは、2024年4月1日以降、働き方改革関連法案によりトラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間以内に制限されたことによって発生する問題の総称です。具体的には、輸送力の低下によって荷物が届けられなくなったり、業界の慢性的な課題である人手不足が加速したり、これまで残業代前提の働き方をしていたドライバーの収入が減ったり、技業者の売上が落ちたりといったことなどが挙げられます。

全日本トラック協会の2024年問題対策

全日本トラック協会や、各都道府県のトラック協会、がこれまでに実施してきた2024年問題対策のうち、主なものとしては以下のとおりです。

1.荷主企業、荷主団体を対象とした公演
荷主主企業や荷主団体が運送業界の働き方改革や2024年問題の対策に関するセミナーを実施する際に、公演を行っています。

2.2024年問題解決に向けた実証事業などへの支援
2024年問題の解決に向けて企業単位で実施するべき対策としては、荷待ち時間や荷役作業の改善、物流標準化に向けた取組などが挙げられます。全日本トラック協会では、そういった対策を行う企業を支援しています。

3.価格転嫁に向けた運賃交渉相談会の実施
人手不足の改善には、トラックドライバーの待遇改善が欠かせません。また、燃料費の高騰も輸送コストに大きな影響を与えています。こうした状況下で輸送を続けるためには、運賃の値上げが避けられません。各都道府県のトラック協会では、運賃交渉に関する個別相談階を実施しています。

4.標準的運賃や改善基準告示に係るセミナーの開催
国は、価格競争で弱い立場になりがちなトラック運送事業者やドライバーを守ることを目的に、「標準的な運賃」を設定しています。全日本トラック協会および各都道府県のトラック協会では、標準的な運賃に関わるセミナーを開催しています。

5.ホームページや配布物を活用した啓発
全日本トラック協会では、2024年問題の特集ページが開設されています。また、時間外労働時間の上限規制や、標準的な運賃、改善基準告示など、2024年問題に関係するさまざまな配布物を作成し、啓発に努めています。

6.アンケート調査の実施
トラック運送事業者や荷主企業に対するアンケート調査を実施し、その結果に応じたさらなる対策を行っていきます。

全日本トラック協会の今後の対応

全日本トラック協会は、今後も引き続き2024年問題への対応を続けていくとしています。具体的には2025年4月以降の改正物流効率化法および改正貨物自動車運送事業法の施行荷向けた措置や、啓発活動などが挙げられます。

2024年問題の解決に向け、全日本トラック協会はさまざまな施策を行ってきました。しかし、物流を取り巻く環境は以前厳しい状態にあり、運送業界だけで解決できるものではありません。荷主企業や一般消費者の協力も仰ぎつつ、継続した対策が求められます。

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