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梅雨や台風時における輸送の目安
2024年6月3日、全日本トラック協会は、各都道府県のトラック協会に向け、梅雨期および台風期における防災体制の強化を呼びかけました。
そこで本記事では、2022年2月に国土交通省が定めた、異常気象下における輸送の目安を紹介していきます。
国土交通省が定めた「異常気象時における輸送の目安」では、以下の5つのケースにおける対応をそれぞれ定めています。
- ● 降雨時
- ● 暴風時
- ● 降雪時
- ● 視界不良(濃霧・風雪など)時
- ● 警報発令時
一つずつ紹介します。
降雨時
降雨時における車両への影響や輸送における対応は、雨の強さによって以下のように異なります。
20~30mm/h:ワイパーを早くしても視界が悪くなる降水量です。輸送の安全を確保するための措置が求められます。
30~50mm/h:車輪と路面のあいだに水膜が発生する「ハイドロプレーニング現象」が起こり、高速走行時にブレーキが利きにくくなる降水量です。輸送の中止も検討するべきです。
50mm/h以上:車の運転が危険な降水量です。この状況での輸送は適切ではありません。
暴風時も、その風の強さに応じて、車両への影響や輸送における対応が以下のように異なります。
10~15m/s:道路に設置された吹き流しの角度が地面と平行になる風速です。高速運転中であれば横風邪に流される感覚を受けるでしょう。輸送の安全を確保するための措置が求められます。
15~20m/s:高速運転中に、横風に流される感覚が大きくなる風速です。こちらも輸送の安全を確保するための措置が必要です。
20~30m/s:通常の速度で運転することも困難な風速です。輸送の中止も検討するべきでしょう。
30m/s以上:走行中のトラックが横転する風速です。この状況で輸送をするべきではありません。
大雪注意報が発表されている際には、適切な措置を講じる必要があります。また、大雪警報発表時には、輸送の安全を確保したうえで、輸送そのものの可否を判断するようにしましょう。
視界不良(濃霧・風雪など)時視界不良時は、視界が20m以下になっているかどうかが一つの基準になります。20m先が見えないようであれば、輸送の中止を検討するべきでしょう。
警報発令時警報が発表されている際には、まずは安全の確保を最優先にしたうえで、輸送そのものの可否を判断しましょう。
悪天候によって輸送を中止した場合の対応
悪天候を理由に輸送を中止する場合、運送事業者は、ただちに荷主に報告する必要があります。また、国土交通省は荷主企業に対して、安全な輸送が難しい状況下での輸送以来を抑制するよう求めています。
もしも、安全な輸送が難しい状況であるにもかかわらず荷主に輸送を共用された場合は、国土交通省が設置している「意見募集窓口」が相談先となります。
異常気象時における輸送の目安や、中止した場合の対応について紹介しました。とくに、これからの季節は台風が多く、輸送が難しい場面にも遭遇する可能性があります。無理をして輸送を結構すると事故が起こる可能性が高いため、場合によっては輸送を中止するなど、状況を見て柔軟に対応する必要があるでしょう。
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