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IT革命_トラック予約システムで冷凍出荷が変わる

通信とITの発達によって、日々、様々なイノベーションが起きている物流業界。
今回はその中でも、トラックドライバーの皆に影響のありそうなニュースを2つ紹介する。

冷凍倉庫業界でトラック予約システムを導入

冷凍倉庫業界では、これまで「トラックが到着してからしか貨物の出庫準備ができない」という問題に悩まされていた。トラックを用意するのは買い手側のため、倉庫側はトラックが到着するまで運送依頼の内容を把握できない。そのため到着してから出荷準備をすることとなり、トラック側は到着後の長時間待機を強いられるという、トラック業界にとっても倉庫業界にとってもこの問題は悩みの種であった。

日本冷蔵倉庫協会は、この問題の改善に向けて「待機時間削減に向けての自主行動計画」を作成。現状では「到着順・並んだ順」になっている受付・作業を「予約順」に変え、そのために「トラック予約システム」の導入をこれから促進してゆくという。

バースの混み具合を到着前に確認できる機能や、パソコンだけでなくスマートフォンからも予約できる機能などを検討しているが、一番重要視されているのは「運送依頼情報」の照会機能である。 冷蔵倉庫の特性は「アイテム数が多い」「小ロット」「賞味期限管理が必須」であること。さらに、これまではドライバーが持参する運送依頼と冷蔵倉庫が寄託者から受け取った出庫依頼の中身が一致しないこともあり、混乱を招いていた。これを改善するため「トラック予約システム」では出庫の前日に運送依頼情報が依頼主から倉庫側へ共有される仕組みを作る。倉庫側が依頼内容を前日に入手出来れば、翌日の業務をスムーズに行え、トラック到着後の待機時間も削減できる。ドライバー、倉庫スタッフの労働時間を短縮し、作業の無駄も省けるため、働き方改革にもつながるとの見通し。

倉庫業者の「ヨコレイ」は、すでに自社開発のトラック予約受け付けシステムを11月から導入することを決定している。ITを活用し、効率化を進めることが労働者の負担軽減と生産性の向上につながり、深刻化するトラックドライバー不足の改善策となるかもしれない。

タクシーマッチングアプリ「Uber」がトラック業界にも進出?

全世界的に利用され、1日に800万人もの利用者のいるタクシー配車サービス「Uber」は、運送会社や個人トラック運転手と組んで、貨物運送を斡旋する新サービス「Uber Freight」をアメリカですでに利用開始している。 Uber社によって選ばれた有資格トラックドライバーたちと荷主をアプリで結びつけ、荷物の種類や目的地、距離、料金などを見渡して条件が合えば簡単に予約できる。
さらに「Uber Freight」は、トラックドライバーのもうひとつの悩みである「支払いスピード」の問題にも取り組んでいる。通常、報酬は1ヶ月以上先まで振込みを待たなければいけなかったが、クレジットカード決済を用いているUberであれば、報酬はドライバーに「数日以内に、手数料なしで、どんな配達についても」支払われる。また、予期せぬ事態に陥ったときに追加料金をドライバー側が請求するシステムも備えており、末にブローカーとの交渉を嫌う独立系のトラックドライバーによって重宝されている。現在日本での導入は検討されていないが、将来的に日本に上陸すればトラック業界に革命が起きるかもしれない。

文/BUY THE WAY lnc.

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