> > 晴海コンテナ、「セミトレーラー中継幹線輸送サービス」を本格稼働

ドライブワーク通信

晴海コンテナ、「セミトレーラー中継幹線輸送サービス」を本格稼働

2023年6月2日、晴海コンテナ輸送株式会社(以下「晴海コンテナ」)は、運送業界の「2024年問題」の解決策として注目を集める「セミトレーラー中継幹線輸送サービス」を、同月より本格稼働することを発表しました。

運送業界の「2024年問題」とは?

物流業界の2024年問題とは、2024年4月以降、トラックドライバーを含む自動車運転従事者の時間外労働が、年間960時間までに制限されることで起こるさまざまな問題のことを指します。具体的には、トラックドライバー1人あたりの労働時間が制限されることで長距離の輸送ができなくなる、残業が少なくなることでドライバーの収入が減る、運送業界全体の収入が減るなどの影響が懸念されています。

とはいえ残業時間の上限規自体は「働き方改革」の一部であり、常態化していたドライバーの長時間労働の撲滅など、労働環境の改善を目的としたものです。そのため運送業界各社は、業務の効率化や新たな輸送手段の創出など、上限規制に適応する形で2024年問題を解決できるよう、試行錯誤を続けています。

セミトレーラー中継輸送サービスとは

今回、晴海コンテナが本格稼働させた「セミトレーラー中継幹線輸送サービス」は、大型トラックの中でも切り離しが可能な車両であるトラクタヘッドとコンテナシャーシを利用し、荷物を載せたコンテナシャーシを、約200km毎に設置された中継拠点で別のトラクタヘッドに付け替えることで、ドライバー1人あたりの走行距離を短縮させるサービスです。

例えば従来は、関東在住のドライバーが、関西へ400kmの輸送を行う場合、1日かけて関西にたどり着き、次の日に別の荷物を積んで関東に戻ってくる1泊2日の運行となっていたため、ドライバーは長時間の拘束を余儀なくされていました。関西在住のドライバーが関東へ400kmの輸送を行なう場合も同様です。

しかしセミトレーラー中継輸送サービスを利用すれば、関東在住のドライバーは200km走行したところにある中継拠点で、同じように200Km走行してやってきた関西在住のドライバーとコンテナシャーシを交換、その後200kmを走行して関東に戻るだけです。この形であれば、関東在住のドライバーも、関西在住のドライバーも、1日あたりの走行距離は400kmのままであるにもかかわらず、その日のうちに帰宅することが可能になるのです。

セミトレーラー中継輸送サービスによってトラックドライバーの業務を効率化することで、2024年4月以降に適用される、時間外労働時間の上限を守りつつ、長距離の輸送を実現することが可能になります。

加えて、運送業界全体がワークライフバランスを重視した、魅力のある業界に変化していくことで、業界が慢性的に抱える課題である人手不足や、若手人材の不足の解決に繋がることが期待されています。

文/BUY THE WAY lnc.

ドライブワーク通信バックナンバー
  • 国外採用と国内採用の違い
    外国人ドライバーの採用には、国内採用と国外採用の2種類があり、それぞれに特色があり、メリット、デメリットが存在する。今回はそれぞれの特徴や違いについて紹介する。
  • 特定技能外国人が日本に来るまで
    現在の日本では、ドライバーの人手不足問題に直面している。 最近では特定技能外国人のドライバーでの活躍が期待されている。 特定技能外国人はどのような教育や手配を経て日本に来日するのか。
  • 外国人ドライバー受入制度の新設
    外国人ドライバー受入制度の新設
  • 東大IPCがロボトラックに出資 2024年問題の早期解決を目指す
    東京大学共創プラットフォーム株式会社(以下:東大IPC)が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(以下:AOI1号ファンド)は、株式会社ロボトラック(以下:ロボトラック)への1.5億円の出資を決定しました。ロボトラックは、自動運転大型トラックソリューションを開発する企業です。
  • 新物流効率化法について解説 令和7年4月1日より施行
    令和7年4月1日より、「新物流効率化法」が施行されました。これは従来の「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」を基に、名称と内容が改正されたものです。

ドライブワーク通信一覧へ

Copyright (c) Az staff Inc. All Right Reserved.