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ドライブワーク通信
トラックドライバーの喫煙率は平均の3倍以上 健康リスクだけではなく交通事故のリスクも
2025年7月、全日本トラック協会(全ト協)は、「ドライバーの健康増進に向けた取組の推進」の一環として、「運転中だけたばこをお休みしてみませんか? 」と題した啓発チラシを作成しました。
それに合わせて本記事では、トラックドライバーの喫煙状況や、一般的な喫煙のリスク、トラックドライバーならではの喫煙リスクなどについて解説します。

全日本トラック協会が2023年に実施したアンケート調査では、トラックドライバーの喫煙率は48.6%にのぼることがわかりました。一方、厚生労働省の調査 によると、2023年の時点で習慣的に喫煙している人の割合は15.7%となっています。このことから、トラックドライバーの喫煙率は、平均的な喫煙よりも3倍以上高いと分かります。
「たばこは百害あって一利なし」と言われるように、喫煙はさまざまな健康リスクを引き起こします。
第一に挙げられるのが、がんのリスクです。なかでも、たばこの煙が直接触れる部分への影響が大きく、肺がんや喉頭がん、咽頭がん、口腔がんなどのリスクは大きく高まります。また、たばこに含まれる有害物質は血液をとおして全身にいきわたるため、煙が直接触れない部分のリスクも高まります。
加えて、心筋梗塞や脳梗塞など、運転中に発症すると事故に直結する疾患が発生する可能性も上昇します。
運転中の喫煙は健康被害だけではなく事故のリスクも高めます
脇見運転はわずかな時間でも非常に危険です。例えば、時速40kmで走行中に3秒の脇見をした場合、車両は30m前進します。高速道路を時速100kmで走行中であれば3秒で83m前進します。時速100kmでの走行中に、たばこに火をつけようと5秒脇見すれば、前を見ていない状態で140mも進むことになります。
実際に、走行中にたばこに火をつけようとした際に脇見運転を行ったことによる多重事故が、実際に発生しています。こうした危険性から、イギリスやイタリア、台湾などでは、運転中の喫煙が禁止されています。
また、トラックドライバーに限らず、喫煙者は交通事故の死亡リスクが高くなっています。東北大学の研究によると、男性で1日に20本以上煙草を吸った場合、交通事故死亡リスクが1.54倍高くなるとされています。
全ト協が今回作成したチラシは「運転中だけたばこをお休みしてみませんか? 」と題されていますが、可能であれば運転中に限らず、本格的に禁煙できるに越したことはありません。しかし、たばこには強い依存性があるため、とくに喫煙習慣が長年にわたる場合、自分の意志だけで禁煙することは困難なことも多いでしょう。
そうしたケースでおすすめなのが、医療機関の禁煙外来の受診です。禁煙外来では医師の判断のもと治療薬が処方されるため、自分一人で禁煙を試みるより、成功する可能性が大きく高まります。
トラックドライバーの喫煙率は、平均の3倍以上と高い水準です。しかし喫煙には健康上のリスクがあり、交通事故のリスクも高めるため、長く安全に働くことを目指すのなら、禁煙できるに越したことはありません。自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来の受診もおすすめです。
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