HOME > ドライブワーク通信 > トラックドライバーは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング検査を
ドライブワーク通信
トラックドライバーは睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング検査を
本記事では、今回発表されたリーフレットの内容をもとに、SASの症状や、早期発見に欠かせない検査の概要、助成金などについて触れていきます。
SASとは、睡眠中に呼吸が止まったり、止まりかける状態を繰り返すことで、睡眠の質が落ちる病気です。トラックドライバーがSASを発症すると、日中に強い眠気や疲労感を覚え、居眠り運転や事故を起こすリスクが高まります。その他にも、SASは高血圧や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞といった合併症を引き起こす危険性もあるため、早期に発見して治療する必要があります。
なお、令和4年4月1日に「自動車事項報告等の取扱要領」が一部改正され、SASが疑われる居眠り運転や漫然運転を伴う事故が発生した場合、自動車事故報告書の「推定原因」として、その旨を記載することが定められました。「SASが疑われる」とは、過去にSASと診断されたことがあり治っていない状態や、国土交通省が策定した「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル」に記載されているSASの症状のがある状態のことを指します。
SASは簡単なスクリーニング検査で発見することができ、早期に適切な治療を受ければ健康な人と同じようにトラックドライバーとして働き続けることが可能です。最も危険なのは、SASでありながら、それに気づかずに運転を続けてしまうことです。リーフレットの中では、SASが疑われる症状として以下の5点を紹介しています。当てはまることがある場合は、すぐに検査を受けましょう。
- ・大きないびきをかく
- ・睡眠中に「呼吸が苦しそう」「呼吸が止まっている」と指摘される
- ・息が苦しくて目が覚める
- ・昼間に強い眠気を感じる
- ・朝起きた時に頭痛、頭重感がある
また、上記にあげたものの他にも、原因の分からない疲労感や倦怠感が続いている場合は、SASが原因になっているかもしれません。
国土交通省の調査によると、令和3年度の時点で、SASスクリーニング検査を従業員に受信させている事業者は33%にとどまりました。全日本トラック協会では、会員事業者に対し、ドライバー全員にSASスクリーニング検査を受信させることを推奨しているため、これは決して高い数値とはいえません。
全日本トラック協会では、検査の助成事業を実施しており、検査費用の半分に当たる額の助成を受けることができます。
詳しくは、所属している都道府県のトラック協会に確認してみましょう。
文/BUY THE WAY lnc.
-
外国人が好む募集要項
2025年春、特定技能制度に新しく追加された業種「自動車運送業」。現在、少しずつ参入企業が増え、採用活動を行っている企業が増えています。今後さらに多くの企業が参入し需要が供給を超え、人材の引き合いが見込まれるこの制度ですが、外国籍ドライバーが集まりやすい募集要項はどういった内容なのでしょうか。今回は、外国人の候補が好む条件について実際の声も参考にし、ご紹介します。 -
外国人ドライバーを検討する上での国籍比較
特定技能制度は、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。2018年に在留資格「特定技能」が創設され、2019年4月から受入れが可能となりました。自動車運送業分野においては、特定技能1号について受入れが可能な分野として2024年4月新たに定められました。 -
トラックドライバーの喫煙率は平均の3倍以上 健康リスクだけではなく交通事故のリスクも
2025年7月、全日本トラック協会(全ト協)は、「ドライバーの健康増進に向けた取組の推進」の一環として、「運転中だけたばこをお休みしてみませんか? 」と題した啓発チラシを作成しました。それに合わせて本記事では、トラックドライバーの喫煙状況や、一般的な喫煙のリスク、トラックドライバーならではの喫煙リスクなどについて解説します。 -
多くのドライバーが「運転中に眠気による危険」を体験 睡眠不足が招くリスクとは
2025年7月、全日本トラック協会(全ト協)は、「いい仕事は快適な睡眠から 」と題した啓発チラシを公開しました。これは「ドライバーの健康増進に向けた取組の推進」の一環として作成されたものです。そこで本記事では、トラックドライバーの睡眠不足が招くリスクや、睡眠のチェック方法などについて解説します。 -
全ト協、2024年の交通事故統計分析結果を公開
2025年6月、全日本トラック協会は「2024年の交通事故統計分析結果【確定版(車籍別)死亡・重傷事故編】」を公開しました。