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トラック業界はSDGsにどう取り組むべきか
令和4年6月、全日本トラック協会では、運送事業者がSDGsに取り組ための方法などをまとめたパンフレット「まるわかり トラック運送事業者の今すぐできるSDGs」を公表しました。
SDGsとは
SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語訳では「持続可能な開発目標」となります。
気候変動や、資源の枯渇、感染症、貧困など、現代人が直面している多くの問題を、2030年までに解決することを目指し、世界共通の目標として掲げられました。
内容としては「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康を福祉を」など、2030年のあるべき姿を表す「ゴール」が全17個あります。そしてそれぞれのゴールに対し、達成するための具体的な行動である「ターゲット」が合計で169個設定されています。
トラック運送事業者がSDGsに取り組むメリット
交通事故の防止や安全運転の徹底は、SDGsが登場するよりも前から、トラック運送事業者が取り組んできたことです。この課題に引き続き注力することで、SDGsの推進に貢献でき、荷主や社会からの信頼獲得にもつながります。
さらに今後は「SDGsに積極的かどうか」が、取引先を選ぶ際の判断材料とされることも増えてくる可能性があります。SDGsに力を入れることで、荷主企業との関係性を強化することにもつながるのです。
世界共通の目標であるSDGsには、トラック運送事業者も可能な範囲で取り組んでいく必要があります。またSDGsへの取り組みは、トラック運送事業者自身に対してもメリットがあるものです。「まるわかり トラック運送事業者の今すぐできるSDGs」には、トラック事業者がSDGsに取り組4つのメリットが紹介されています。
▽1.人材採用や定着につながる
SDGsへの取り組みは、人材の採用・定着にも前向きな効果が期待できます。SDGsは小中高校生の学習指導要領の内容にもなっているため、「SDGsに力を入れている会社で働きたい」と考える人が、特に若い世代のあいだで増えることが予想されます。▽2.事故防止にも効果があり、信頼獲得につながる
SDGsを構成する17個のゴールの中には「3.すべての人に健康と福祉を」というものがあります。さらにこのゴールを達成するために必要な13個のターゲットのうちのひとつとして「道路交通事故の死傷者を半減させる」が定められています。交通事故の防止や安全運転の徹底は、SDGsが登場するよりも前から、トラック運送事業者が取り組んできたことです。この課題に引き続き注力することで、SDGsの推進に貢献でき、荷主や社会からの信頼獲得にもつながります。
▽3.荷主企業との一層の関係構築が可能
SDGsへの取り組みが求められているのは、トラック運送事業者だけではありません。荷主となる企業のあいだでも、SDGsの推進に貢献することで、イメージアップを図る企業が増えてきています。さらに今後は「SDGsに積極的かどうか」が、取引先を選ぶ際の判断材料とされることも増えてくる可能性があります。SDGsに力を入れることで、荷主企業との関係性を強化することにもつながるのです。
▽4.新たなビジネスチャンスが広がる
SDGsへの取り組みは、従来のビジネスでは出会うことのなかった顧客やパートナーを獲得するチャンスでもあります。現在は世界中で多くの企業がSDGsに取り組んでいるため、これをきっかけに新たな企業との縁が生まれたり、地域社会とのつながりを強めたりといった効果も期待できるのです。
文/BUY THE WAY lnc.
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