> > 運送会社同士が中間拠点をシェアできるサービスが登場

ドライブワーク通信

運送会社同士が中間拠点をシェアできるサービスが登場

3月9日、愛知県蒲郡市に本社を置く株式会社スペース(以下:スペース)は、運送会社同士が中継輸送の拠点をシェアするサービス「ドラ基地」のβ版を、4月1日にリリースすると発表しました。
物流の「2024年問題」とは?

2024年4月1日以降、働き方改革関連法によって、トラックドライバーを含む「自動車運転の業務」は、年間の時間外労働時間の上限が960時間までに制限されます。これにともない発生する諸問題を総称したものが、物流における「2024年問題」です。ドライバーの労働時間が短くなることで、走行距離も短くなり、2024年以降はこれまで通りに物が運べなくなる事態も危惧されています。

ただし働き方関連法そのものは、長時間労働による健康被害や過労死から労働者を守るためのものです。大きな転換期となる2024年を前に、運送業界各社は、労働者の健康と物流の両立を目指し、現在様々な試みを行っている最中です。今回紹介する「ドラ基地」もその一環といえるでしょう。

中継輸送の未来をひらく「ドラ基地」

「ドラ基地」は、運送会社同士が、拠点の敷地をシェアできるサービスです。

法改正後、1人のトラック度合いバーが走行可能な距離は、往復で約250km~300kmほどです。
それ以上の距離を輸送する場合は、中継拠点を用意し、複数のドライバーで分担して運ぶことになります。

従来、運送会社が中継拠点を確保するためには、多大な資金と時間を要しました。
しかし「ドラ基地」を利用し、他社の敷地を借りることができれば、全国に拠点を持たない運送会社であっても、手軽に中継拠点を確保することができます。

また、敷地を貸し出す側にもメリットがあります。
自社の敷地に、使っていない時間や、使っていないスペースがある場合は、それを他社に貸し出すことで収益化することができるのです。

「ドラ基地」の特徴と解決できる課題

▽拠点探しが用意に

中継輸送に必要な拠点の検索から予約まで、オンラインで一元管理できます。

▽さまざまなシーンに対応

荷物の乗せ替や、車両の交換、ドライバーの仮眠場所の確保、フォークリフトの手配など。

▽突発する物流ニーズにも対応

必要な時、必要なだけのスペースを借りることができます。
急な運行ニーズの変化にも柔軟な対応が可能になります。
今後の展望

スペースでは「2024年問題」に備えた「ドラ基地」の今後の展望について、以下のように発表しています。

▽拠点の拡大

2024年に備えた全国展開。

▽システムの改良

現地のチェックインの無人化、中継輸送専用保険などの追加を検討中。

▽現地実証実験の実施

現地での検証を重ねることで、サービスのさらなるブラッシュアップをはります。

文/BUY THE WAY lnc.

ドライブワーク通信バックナンバー
  • 能登半島地震の被災地に対する、運送事業者の支援を一部紹介
    2024年1月1日に発生し、240名の命を奪った能登半島地震から1ヶ月が経過しました。被災地では現在でも約1万4000人の方が避難所での生活を余儀なくされています。そんななか、全国のさまざまな企業が、被災地に向けた支援を実施、あるいは今後の支援を表明しています。今回は、運送事業者が行った支援について、ごく一部ではありますが紹介していきます。
  • 佐川急便、再配達の荷物をファミリーマートのロッカーで受け取れるサービスを開始
    2024年1月22日、佐川急便株式会社(以下:佐川急便)は、不在で受け取りができなかった宅配便の荷物を、ファミリーマートの専用ロッカーで受け取れるサービスを開始しました。再配達の削減効果に期待がかかるほか、ユーザー目線では受け取りの選択肢が増えることによる利便性の向上が見込まれます。
  • 消費者庁、EC事業者に対し「送料無料」の表示の見直しを要求
    2023年12月19日、消費者庁 はEC事業者などに対し、「送料無料」表示の自主的な見直しを求める旨を発表しました。この要求の背景にあるのが、背景には、2024年4月以降に起こるとされている「物流の2024年問題」です。
  • 引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)とは?概要と取得の手順を紹介
    「消費者に選ばれる引越事業者でありたい」「引越作業の質の高さをアピールしたい」引越事業者のなかには、上記のような悩みをお持ちの引越事業者の方もいるのではないでしょうか。多くの消費者は、できるかぎり信頼のおける引越し業者に依頼したいと考えるものです。そこで効果的なのが、「引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)」の取得です。全日本トラック協会(全ト協)による認定制度なので、取得すれば客観的に引越作業の質の高さをアピールすることができます。本記事では、引越安心マークの概要と、取得手順について解説します。取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください 。
  • 事業用自動車総合安全プラン2025」達成に向けた、全日本トラック協会の取組状況が公表
    令和5年11月17日、「事業用自動車総合安全プラン2025」達成に向けた全日本トラック協会の取組状況 が発表されました。本記事では、国土交通省が掲げる「事業用自動車総合安全プラン2025」と、その達成のために全日本トラック協会が定めた「トラック事業における総合安全プラン2025」の概要と現状について、それぞれ解説します。

ドライブワーク通信一覧へ

Copyright (c) Az staff Inc. All Right Reserved.