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ラストワンマイル配送の効率化へ 東急が新たな取組スタート
2月1日より、東急株式会社は、物流不動産のリーディング企業であるプロロジス、および共同配送管理システム・物流サービスを提供するウィルポート株式会社と共同し、ラストワンマイル配送の新たな仕組みとして「オープン型ラストワンマイル配送プラットフォーム」の運用を、東急線沿線エリアにて開始しました。
背景
近年、インターネット通販の急伸を受け、物流業界のドライバー不足と、ドライバーの長時間労働が社会問題化し、コロナ禍以降はさらにその傾向が顕著となっています。また、トラックドライバーの時間外労働に対する上限規制が厳格化する「2024年問題」を見据え、各社は物流肯定の見直しを迫られています。
▽2024年問題とは
- 2019年4月に施行された働き方改革関連法により、2024年4月から、2024年4月からトラックドライバーに対して、時間外労働の上限規制が課せられます。2024年問題とは、これによって起こる諸問題のことを指します。具体的には「運送・物流会社の利益が減る」「ドライバーの収入が減る」「荷主が負担する送料が増える」などが挙げられます。
- とはいえ働き方関連法自体は、過度な長時間労働を防止し、トラックドライバーをはじめとする労働者の健康を守るための法律です。特に長時間労働が問題視されていたトラック各社は近年、労働者の長時間労働に依存することのない健全な業態へのアップデートを模索しています。
「オープン型ラストワンマイル配送プラットフォーム」とは
ラストワンマイル配送とは、物流において、最終拠点から顧客へと届ける配送のことを指します。「オープン型ラストワンマイル配送プラットフォーム」は、ラストワンマイル配送の需要拡大に対し、配送の担い手が不足している問題を解決するための取り組みです。
ラストワンマイル拠点の整備・運営ノウハウの提供はプロロジスが担い、使用するTMS(共同配送管理システム)の開発・提供はウィルポートが担当します。配送拠点は東急の既存拠点を活用。配送はネットスーパーの商品を配達する「東急ベル」のスタッフ(ベルキャスト)が行います。
▽東急線沿線エリアのラストワンマイル配送のイメージ
ラストワンマイル配送には、TMSだけを使った3つの配送パターンがあります。
- ① 「センター出荷型配送」:荷主の倉庫から配送拠点に届いた荷物を仕分けし、ラストワンマイル配送を行う。
- ② 「リアル店舗出荷型配送」:荷主の店舗にある荷物を東急ベルがラストワンマイル配送を行う。
- ③ 「シェアリング型配送」:買い物代行などの配送を行う。
文/BUY THE WAY lnc.
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